「フルリモート最高!って聞くけど本当かね」という話

こんにちは。
コミューンでサーバサイドエンジニアリングマネージャ(長い)という肩書で活動している栗山です。

CTOの「エンジニア全員でブログ書こう」という鶴の一声で、本ブログ記事を執筆する運びとなりました。いい機会なので、コミューンでのエンジニアの働き方やちょっとした技術的な小ネタ、もしくは業務に全く関係ない話を織り交ぜつつ、「コミューンの中の人」を発信していこうと思います。


エンジニアは基本フルリモート

昨今の新型コロナウイルスの影響拡大に伴い、弊社でも今年の春頃からフルリモート制度を導入するに至りました(それ以前は水曜日のみオフィスとリモートどちらか選択可能となっていた)。

月次の締め会といった会社行事でオフラインの接点を持つことはありますが、基本的には個々の働きたい場所で働く、という形をとっています。

フルリモートOKである場合のメリットとしては

  • 通勤時間の解消
  • 満員電車からの解放
  • 交通費めっさ浮く
  • 作業場所を選べる

といったものがありますでしょうか。一点目~三点目に関しては言わずもがなですね。

四点目の「業務を遂行するにあたっての地理的な制約が発生しない」、これはリモートで働くにあたって特に魅力的に映る点かなと思います。

実際、今コミューンに参画されているエンジニアの中には他県在住の方もいらっしゃいます。

もし自宅で作業するのであれば、「僕の考えた最高の仕事場」を作って快適に仕事をするのも可能ですし、昼休みの前半30minでご飯食べて後半30minでPS4起動してすぐ午後の部開始、といった芸当もできてしまいます。おススメはしません。

オセアニアのビーチを満喫しながらお仕事するのも不可能ではありません(弊社が推奨しているかはまた別の話)。いわゆる「ノマド」な働き方ですね。

では手放しに「フルリモート最高!」と喜べるかというとそうでもなく。実際にリモートワーク制度を運用していくにあたり、多くのつらみがそこかしこに潜んでいるわけです。

リモートワークのつらみ

あの人何やってるかよくわからん問題

普段業務で関わりのない人のデスクに用事があって出向いたら、画面4分割にしてYoutubeとTwitterとはちま起稿とRedmineを目いっぱいに表示して仕事していた、なんて経験はありませんか?僕はあります。

まあこの問題は正直リモートワークかオフィスワークかに関わらず発生するものではありますが、リモートだと特に顕著に表れるように感じます。

じゃあなぜリモートワークだと「あの人何やってるかよくわかんねえ…」となりやすいかというと、純粋に情報が少ないのですよね。そらそうよという声が聞こえますね。

オフィスで働いていると、意外といろんな情報が入ってきます。「AさんとBさんが何やら話し込んでいるな、どうやら新規実装する機能の仕様について擦り合わせてるみたいだ」とか「あそこのプロジェクトの島、マネージャ陣が軒並み席外してる。そういやクライアントとの会議組んでるとか誰かが言ってたような」とか。

リモートワークだとこういった「ボンヤリしてても入ってくる情報」が0になるとまではいかないですが、少なくともオフィスでは無意識に拾えていたことが拾えなくなってしまいます。

そのため、意識的に各情報に対するキャッチアップを行わないと「あの人何やってるかよくわかんねえ…」状態になりがちです。

「あの人何やってるかよくわかんねえ…」状態というのはすなわち「これ誰に相談していいのかわかんねえ…」状態とも言えます。個々のメンバーが担当するスコープを把握しないことには、チームでの効率的な協業は生まれません。

また、各情報に対するキャッチアップが必要ということは、普段から自身の活動をアウトプットし、何をやっているかをメンバーに周知する必要がある、ということもまた意味しています。

何やってるかよくわかんねえ人と認識されないよう、日々の作業や思考の過程はどんどん開示していきましょう。もちろん開示できる範囲で。

同期/非同期コミュニケーションのバランス問題

業務中のコミュニケーションは主にチャット(弊社はslackを使用)で進めつつ、ミーティングやちょっとした相談事があれば都度meetで対話、という形を取っています。

で、前者のテキストコミュニケーションですが、これが思いのほか慣れるまで時間がかかりました。今でもslackで長文を投げる時は20回くらい読みなおしていますが。

例えば同じチームのメンバーにとある件で相談する、というケースを考えます。

テキストの中で「背景/課題/方針/懸念」それぞれを端的にまとめ、相手に投げる。

同期的なコミュニケーションにおいて相手とアバウトにキャッチボールできていた内容を、一つの「文章」として完成させることは結構骨が折れます。自分今まで雰囲気でやってたんだな…ということに気付かされました。

また、テキストで何度かやり取りをしたがいい着地点が見つからず、callしたところ秒で解決した、といったパターンも発生します。最初から会話しておけばよかったんじゃ?という。

かと言って「とりあえずcallすればええやろ」という思想は、相手の時間をたやすく奪うことと同義であり、推奨されるものではありません(カジュアルなcallそのものを否定しているわけではないです。むしろ「今callしていい?」と気軽に言える関係性や空気感は大事にすべき)。

こういった同期コミュニケーションと非同期コミュニケーションのバランスの難しさもあり、中庸であること(CTOのポエム#中庸なれ参照。)の重要さ、そして大変さをひしひしと感じる今日この頃です。

ON/OFFスイッチング意識しないといけない問題

もう少し具体的な表現に変えるとすれば、「意識して仕事モードになる必要がある問題」「惰性で仕事してしまう問題」でしょうか。

オフィスワークが常だった今までは、「スーツもしくは仕事着に着替える」「家を出て最寄りの駅まで歩く」「電車に乗って会社まで移動する」といった一連のルーティーンが存在していました。

その出社までのフローをなぞり、オフィスという自身の居住空間とは別の空間に体を置くことで、無意識のうちに「仕事モード」に頭を切り替えていたわけです。

しかし、リモートワーク、特に自宅での作業となると居住空間とオフィスの物理的な距離はほぼ0になります。むしろ居住空間の中にオフィスが存在する、という表現の方が適切かもしれません。

そういった空間では、やはり意識して仕事モードに切り替える必要が出てきます。

また、出社する必要がない = 退勤する必要もありません。そのため、退勤に対するコストが発生せず、「いつでもすぐ退勤できるから」という発想のもと惰性で仕事をしてしまいがちです。

こうなると「勤務時間が延びる -> 十分な休息が取りづらくなる -> 作業効率が落ちる -> 勤務時間が延びる」という負の連鎖に陥りかねません。

そのため、オフィスワークをしていた頃よりも尚のこと、作業時間に対する意識を強く持つ必要があるように思います。

終わりに

気付けば「リモートワークのつらみ」をひたすらつらつらと書き連ねた回になってしまいました。とは言えこの状況を傍観しているかというとそうではなく、リモートワークを文字通り「ワーク」させるために日々奮闘しているわけで。

ということで、次回は「こんな試みでリモートワークの生産性爆上がり(仮)」を執筆予定です。お楽しみに。